『日本経済新聞』東北版2011年12月28日付
「大学・研究所」に204億円 12年度予算ここが焦点(中)
政府の2012年度予算案で、東日本大震災の復興経費を別枠で管理する特別会計に、東北を拠点とした大学や研究所などを活用した地域再生費として計204億円が計上された。震災を機に産学官連携を推進し、新産業の育成を狙う。
研究成果を被災企業と共に実用化するイノベーション創出事業に予算を配分。被災地の企業と大学が連携し、研究成果の事業化を推進する。次世代エネルギー研究開発事業では高効率の太陽電池開発のほか、波力など東北の地域性を生かしたエネルギー研究を進める。
教育面では被災児童の学習を支援するため22億円で被災地の教職員を1000人増やす。被災大学生の授業料減免支援に76億円を配分。専門・専門学校向けには復興を担う専門人材の育成(5億円)が盛り込まれた。
学校の復旧や津波観測網の整備にも引き続き予算を計上した。資金を有効活用し、学習の場の立て直しと雇用を生み出す新産業の育成が急務だ。