高知大学長選 対立候補らの控訴棄却 高松高裁「公正害したと言えず」『高知新聞』2011年12月28日付

『高知新聞』2011年12月28日付

高知大学長選 対立候補らの控訴棄却  高松高裁「公正害したと言えず」

 2008年4月、文部科学省が高知大学学長に相良祐輔氏を任命したのは「違法」として、学長選の対立候補だった高橋正征氏らが国に任命の取り消しを求めていた訴訟の控訴審判決が27日、高松高裁であり、小野洋一裁判長は原告の控訴を棄却、却下した。

 問題となったのは、07年10月、同大が国立大学法人移行後に実施した学長選考手続き。学内意向投票では、高橋正征氏が相良氏を41票上回る開票結果が確定したが、その後、票を整理していた職員が「相良氏の20票が高橋氏の投票箱に混入していた」と指摘。投票管理委員が数え直すと、得票は1票差になり、選考会議は2通りの集計結果を参考に相良氏を学長に選任した。

 これに対し、高橋氏らが選考の正当性をめぐり提訴。高知地裁は10年12月、「違法は認められない」と訴えを退けていた。

 小野裁判長は、票数確定後に職員が票の枚数を確認し直した点について、「配慮不足があったと言わざるを得ず、疑惑が生じても無理からぬものがある」と指摘。一方で、「投票用紙を書き換えるなどの行動を取ったことをうかがわせる証拠もない」「手続きの公正を害するに至っているとまで言えない」と結論づけた。

 原告の1人で、当時の選考会議委員の根小田渡氏の訴えについては「原告適格を有しない」とした一審判決を支持し、却下した。

 原告代理人の一人は「2通りの投票結果を参考にした選考のあいまいさなど、こちらの疑問に何ら応えていない」と批判した。 

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