『毎日新聞』山形版2011年12月27日付
東日本大震災:山大・宮城教育大・福島大、「災害復興学」を開講--来年度後期
山形大、宮城教育大、福島大の3国立大は新学問分野としての確立を目指す「災害復興学」について12年度の後期授業から開講を目指すことを山形大で22日に開いた南東北大学連携研究会で決めた。2月1日に福島大で開かれる予定の次回研究会までに授業で使うテキストの骨子案をまとめ本格的な議論に入る。
3大学は東日本大震災を受け、復旧・復興に連携して取り組むことにしている。連携研究会は3大学の副学長や教授らが参加し、復興教育や復興学をどう展開していくかを8月から話し合ってきた。山形大によると、3月に山形市で災害復興学について学ぶシンポジウムを開く計画案も決めた。
災害復興学は、長期にわたる災害復興事業の一翼を担う人材育成を目的としている。内容は、災害の記憶を「社会の記憶」として継承していく▽被災の記憶を乗り越えるだけの「生きる力」を持たせる▽災害に冷静かつ的確に対処できるような知識と心の準備を持たせる▽災害で貢献できる支援のノウハウを持たせる▽復興に向けた活動を通じ、人間的な成長を実現する--の5項目を柱としている。【浅妻博之】