福井大病院に新病棟、利用14年 疾患ごと病床配置『福井新聞』2011年12月14日付

『福井新聞』2011年12月14日付

福井大病院に新病棟、利用14年 疾患ごと病床配置 

 福井大は13日、2018年度を完了年とする医学部附属病院(福井県永平寺町)の再整備計画を発表した。現在の敷地内に新しく8階建ての病棟を建設。入院病床を疾患ごとに配置することで効果的な治療が行えるようにするほか、広い手術室を設けるなどして先端医療への対応も進める。来年3月に着工し、14年9月から利用を始める。

 現在の建物は築30年前後と老朽化が進み、新しい医療サービスを提供するのが難しくなっていた。

 新病棟は地下1階、地上8階建てで延べ床面積2万5千平方メートル。既存建物の東側の空き地に新設する。現在600ある病床のうち、488床を新病棟の3~7階に移転する。

 これまで病床は外科や内科ごとに分けて配置していたが、例えば心臓血管外科と循環器内科を「心・脳血管障害センター」として同じフロアにまとめるなど、五つの「センター」の形で配置し直す。治療対象の臓器や疾患ごとにすることで、医師らが効率的な治療を行うことができる。院内感染対策として各フロアに2室ずつ、気圧管理できる感染症病室も設ける。

 1階にはコンピューター断層撮影装置(CT)を備えた救急部を設置。待合室などには、大規模災害時に治療の優先順位を決める「トリアージ」のスペースとして活用できるよう設備を整える。2階の手術部には、現在の倍近い平均60平方メートルの手術室10室を整備し、医療支援ロボットの活用など広いスペースが必要な先端医療に対応する。集中治療部の集中治療室(ICU)は、現在の6床から10床に増やして個室化する。

 新病棟を建設した後、14~18年度にかけて既存の4棟を改修する。特に病床の大部分が移転する2棟の入院病棟は、専門医向けの研修施設などを新設したり、カンファレンス(症例検討)室を拡充するなどして教育環境の充実を図る。総事業費は約180億円。

 同日、福井市の文京キャンパスで会見した福田優学長は▽地域診療拠点の構築▽快適安全な医療空間―など、再整備の五つのコンセプトを説明し「県民にとって医療の最後のとりでとなる、大学病院の責任を果たしたい」と語った。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com