ドクターヘリ基地建設へ安全祈願 『岩手日日新聞』2011年12月2日付

『岩手日日新聞』2011年12月2日付

ドクターヘリ基地建設へ安全祈願 

 2012年度からのドクターヘリの運航開始に向け、運営を担う岩手医科大は1日、基地ヘリポート・格納庫建設工事の起工式を矢巾町の同大矢巾キャンパス内の現地で行い、工事の安全を祈願した。工事は来年3月末までに終える予定で、来年度早々にも本格運航される見込み。

 起工式には同大や工事関係者ら約50人が出席。小川彰学長がくわ入れするなどして工事の安全を祈った。

 小川学長は「ドクターヘリが運航された暁には、県内の救急患者の迅速な広域搬送が可能となり、救命率の向上に大きく貢献できると期待される。震災で甚大な被害を受けた沿岸部を中心に地域医療の再生が急務だが、ドクターヘリはその一翼を担う大きな推進力となる」とあいさつ。小田島智弥県保健福祉部長も「県民待望のドクターヘリがいよいよ来年度から運航される。今後も連携を図りながら運航開始への取り組みを進める」と述べた。

 建設されるヘリポート・格納庫は鉄骨造り平屋建て、床面積は430平方メートル。ヘリポートには融雪設備が付き、管理事務室のほか医師や看護師の待機室、地下燃料貯蔵庫なども備える。運航が開始されれば、同所に医師や看護師が常駐することになり、同大はそれぞれ7人程度ずつを対象に訓練を始めているという。

 3月に完成後、試験運航を経て本格的な運航となる。当面は発進基地としての機能で、県高度救命救急センター(盛岡市内丸)に搬送する際には、盛岡東署屋上などを離着陸に活用する。同大附属病院や同センターは将来的にはヘリポートの隣接地に移転する計画(17年度末完成予定)で、より迅速な救命医療が図られる。

 小川学長は「ドクターヘリが運航されれば、これまで片道2~3時間かかっていたのがわずか30分ほどで高度救命救急センターに到着できることになり、広大な面積を持つ本県の特殊性の中で果たす役割は大きい。地理的条件を解消できる」と語っている。

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