「国際医療センター」来月5日から稼働 長大病院で関係者が完成祝う『長崎新聞』2011年11月29日付

『長崎新聞』2011年11月29日付

「国際医療センター」来月5日から稼働 長大病院で関係者が完成祝う

 長崎大学病院(長崎市坂本1丁目)が整備を進めていたエボラ出血熱など危険性の高い1類感染症を治療する病床を備えた「国際医療センター」が完成した。1類感染症に対応可能な病床の設置は県内で初めて。12月5日から稼働する。

 センターは旧精神科病棟(延べ床面積2238平方メートル、3階建て一部平屋)を改修。総事業費は約8億円。7月に完成予定だったが東日本大震災の影響で一部機材が調達できなくなり、3カ月遅れた。

 1類感染症に対応できる「第1種感染症病床」は2床設置。室内の気圧を下げるなどし、外に空気が漏れない構造を採用している。このほか結核病床(6床)、一般の感染症病床(16床)、救命救急センター病床(19床)を設けた。若手研究者が感染症や被ばく医療を学ぶ施設も入る。

 28日は看板除幕式があり河野茂病院長が「国際的な感染症に対応するのは不可欠な使命。これまで以上に高度な地域医療で県民・市民の役に立ちたい」とあいさつ。片峰茂学長は「センターは他大学にはない長崎大学病院の個性だ。大きな役割を担いながら発展させたい」と語った。病院関係者は完成を祝った後、センターを見て回った。

 ◆ズーム/1類感染症

 感染症は感染力や罹患(りかん)した場合の重篤度などを基に、危険性が高い順に1~5類に分けられる。最高の1類感染症はエボラ出血熱やペスト、ラッサ熱など7疾病が該当する。厚生労働省によると、1類感染症に対応できる「第1種感染症病床」を持つ医療機関は4月1日現在、全国に38機関(73床)ある。

 

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