知的産業集め経済発展を 沖縄懇話会『沖縄タイムス』2011年11月22日付

『沖縄タイムス』2011年11月22日付

知的産業集め経済発展を 沖縄懇話会

 沖縄と本土の経済人でつくる沖縄懇話会の第22回総会が21日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザで開かれた。「沖縄科学技術大学院大学(OIST)との産業連携を模索する」をテーマにした基調講演やパネル討論で、同大初代学長のジョナサン・ドーファン氏は「産学官連携で沖縄に知的産業クラスターを形成し、自立発展、経済振興に貢献したい」と使命達成に意欲を示した。

 パネル討論では知的産業クラスター形成について「技術ニーズがある企業と、研究成果のある大学との密接な関係が必要」「周辺教育機関、弁護士、知的財産の専門家の存在も欠かせない」など、各界の連携強化を課題に挙げた。

 30年以上バイオ産業を取材してきた日経BP医療局の宮田満主任編集委員は、技術革新に乏しい日本の産業クラスターの状況を指摘し、OIST開学による変革に期待。「企業も競争力のあるOISTと連携して共同研究し、知財の所有のあり方についても新たな沖縄モデルを作ってほしい」と要望した。国内外の大学と共同研究を進めるダイキン工業の稲塚徹常務専任役員は「研究成果のビジネス化や知財の取り扱いなど、研究者をサポートするスタッフや仕組みも重要だ」と提起。

 ドーファン学長も研究者と企業の関係性を産業化の鍵に挙げた。「相互に何ができるか考え、協力して商品化を市場に出す。前向きな取り組みを」と話し、企業を沖縄に引きつけるための行政側の協力を要望した。

 同大学学園の竹内新也理事長補佐は「大学の知を沖縄の発展に活用するには県の主導的役割が必要だ」とした。

 県企画部の川上好久部長は「産学協力の構築、知的クラスター化には時間がかかるが、新たな振興計画に位置付けていきたい」と、経済振興策の一つに位置付ける考えを示した。

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