青森大不正受給:中国人前課長を懲戒解雇 学長ら処分、理事長は関与否定 /青森『毎日新聞』青森版2011年11月17日付

『毎日新聞』青森版2011年11月17日付

青森大不正受給:中国人前課長を懲戒解雇 学長ら処分、理事長は関与否定 /青森

 青森大(青森市)で偽装留学や奨学金の不正受給が発覚した問題で、大学を運営する青森山田学園が16日、記者会見し、不正に関与したとして前留学生支援課長の中国人男性職員を同日付で懲戒解雇する処分を発表した。末永洋一学長ら10人の教職員も減給や戒告処分。木村隆文理事長についても減俸50%、2年間とした。末永学長らは、留学生の大量受け入れは木村理事長が主導したと訴えていたが、木村理事長は会見で関与を否定した。 

 同大では今年1月、08~10年度に通学実態のない留学生140人を除籍していたことが発覚。その後の調査で05~09年度の5年間、通学実態のない留学生の奨学金支給を日本学生支援機構に申請し、約1700万円を不正に受給していたことが明らかになった。 

 会見の冒頭、木村理事長は「留学生問題でご心配をおかけしたことをおわびする。責任を痛感しており、深く反省している」と陳謝した。一方、自身の進退については「理事会の判断で動きたい」と述べるにとどまった。 

 同大によると、男性職員は奨学金申請にあたり、虚偽の事実を記載したり、留学生から印鑑を預かって押印したりしたとしている。今年4月から連絡が取れない状態だという。 

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 この問題を巡っては、同大の内部調査委員会と外部識者による第三者調査委員会が異なる報告書を作成。理事長の責任を巡り内容が食い違っている。 

 内部調査では理事長が留学生の大量受け入れを主導したと主張。末永学長らは8日、同大の利益を青森山田高のスポーツ強化費に充てることが目的だったとする声明を出したが、木村理事長は会見で「『やれ』と言ったことはない」と否定した。 

 会見に同席した末永学長は「私の就任前の話だが、道義的、社会的責任を逃れるつもりはない。学生と保護者に大変申し訳ないことをした」と謝罪。一方で「今の体制が続くならば、私の進退も含めて重大な決意をさせていただく。悔しくてならない」と述べ、理事長や学園側の姿勢に、不満をあらわにした。【神崎修一】

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