東北初の共同大学院 秋田大と県立大が開設 /資源発掘、製品、廃棄学ぶ『読売新聞』2011年11月10日付

『読売新聞』2011年11月10日付

東北初の共同大学院 秋田大と県立大が開設 

資源発掘、製品、廃棄学ぶ

 秋田大と宮城県立大が9日に発表した、2012年4月に開設する共同大学院では、秋田大の資源・環境分野と、県立大の経営工学分野という双方の強みを生かして、資源を有効活用しつつ、環境問題への対応力も備えた人材の育成を目指す。 

 共同大学院の開設は全国で4例目だが、東北では初めて。国立と公立による共同設置も全国初となる。

 秋田大大学院の小川信明・工学資源学研究科長と、県立大大学院の小林淳・システム科学技術研究科長が9日、県庁で記者会見して発表した。 

 共同大学院に設置される課程は、秋田大大学院の工学資源学研究科(秋田市手形学園町)と、県立大大学院のシステム科学技術研究科(由利本荘市土谷)の両分野にまたがる「共同ライフサイクルデザイン工学専攻」。前期課程(2年)のみで、環境負荷の低減に向け、資源の採掘から製品設計、リサイクル、廃棄まで、総合的な工学を学ぶ。 

 秋田大の小川科長は会見で、「持続可能な循環型社会への移行が重要視されている今、(循環型の産業を学ぶ)ライフサイクルデザインの考え方は、社会のどの分野でも要求される。学生の将来の活躍の場は広い」と話す。 

 大学院を共同で設置する利点について、小川科長は「足りない部分を補完するだけでなく、秋田大の資源・環境分野、県立大の経営工学分野というそれぞれの強みを融合することで、『1+1』が3にも4にもなる。学生のものの見方も広がる」と説明した。 

 共同大学院の学生は、修士論文を指導する教員がいる大学に本籍を置くが、週に1回、他方の大学に出向いて講義を受ける。卒業に必要な30単位のうち、10単位ずつを秋田大と県立大で取得する。地域産業の活性化に貢献できる人材の育成を目指し、地元の産業界から講師を招いて講義を行う予定もある。 

 一般入試の出願受け付けは秋田大が1月4日、県立大が同23日から。希望する指導教員が在籍する大学に出願する。両大の併願はできない。 

 県立大の小林科長は会見で、「新しいことに挑戦する積極性を持ち、社会全体を広く見渡せる高い理想を持った学生を育てたい」と抱負を語った。 

 

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com