道教育大:「学長選考は違法」 教員投票と逆、落選教授ら提訴『毎日新聞』北海道版2011年11月10日付

『毎日新聞』北海道版2011年11月10日付

道教育大:「学長選考は違法」 教員投票と逆、落選教授ら提訴

 道教育大の学長選考手続きで教職員の投票結果が覆されたのは違法だとして、落選した神田房行教授ら教員11人が9日、同大と国を相手取り、学長任命の取り消しと慰謝料計200万円の支払いを求めて札幌地裁に提訴した。神田教授は提訴後に会見し「民主主義が求められる大学で、あってはならないこと。司法の判断を仰ぎ正常な形に戻したい」と訴えた。

 国立大学法人法は、各大学の学長は有識者らによる選考会議で決定し、文部科学相が任命すると定めている。同大では5月、神田教授と本間謙二学長の2人が学長選に立候補。選考の参考にされる教職員間の意向投票では神田教授が250票を獲得し本間学長の208票を上回ったが、選考会議は本間学長の再任を決めた。

 原告側は「選考会議は委員の過半数を学長が任命しており問題がある。投票結果を考慮せずに合理的理由がないまま再任したのは違法」と主張している。同大は「法律にのっとり適正に実施した」とコメントした。

 03年の同法施行以前は、道教育大を含めた多くの各国立大学が教職員の投票で学長を事実上決めていた。このため最近の選考会議の結果を巡り、各地で同様の訴訟が起きている。【金子淳】

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