政府、人勧実施見送りを確認 公務員法案の分離処理が焦点『日本経済新聞』2011年10月26日付

『日本経済新聞』2011年10月26日付

政府、人勧実施見送りを確認 公務員法案の分離処理が焦点

 政府は25日、国家公務員の給与を平均0.23%下げるよう求めた人事院勧告(人勧)の実施見送り方針を決めた。人勧に基づく給与法改正案は国会提出せず、公務員給与を2013年度末まで平均で約7.8%引き下げる特例法案の成立を目指す。民主党の有力支持組織の連合は同法案と国家公務員制度改革関連法案の一体での成立を求めているが見通しはついておらず、給与特例法案の成立を先行させるかが今後の焦点となる。

 人勧の実施見送りは異例の措置だが、川端達夫総務相は同日の給与関係閣僚会議後の記者会見で「人勧の内容、趣旨は給与特例法案の内枠だと評価できる」と説明した。政府は人勧の実施見送りについて28日に閣議決定する方針。6月に国会提出した給与特例法案を成立させれば、年間で2900億円を捻出でき、復興財源に充てることができる。

 政府・民主党にとって悩ましいのは、国家公務員に協約締結権を付与するなどの改革を盛った公務員制度改革法案との関係だ。給与特例法案については、菅前政権が公務員制度改革法案と同時に成立させると連合に約束した経緯がある。20日の政府と連合の定期協議会でも、南雲弘行事務局長が政府側に両法案を一体で成立させるよう念を押した。

 しかし、協約締結権の付与には自民党が強く反対しており、公務員制度改革法案の成立は道筋が見えていない。給与特例法案は成立が遅れるほど捻出できる財源が減るため、同法案を先行させるか判断を迫られる場面もありそうだ。

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