青森短大、13年春閉校へ…学生不足深刻『読売新聞』2011年9月8日付

『読売新聞』2011年9月8日付

青森短大、13年春閉校へ…学生不足深刻
 

 青森市の学校法人青森山田学園(木村隆文理事長)が、経営する青森短期大学の学生募集を来年度から停止する方針を決めたことがわかった。 

 慢性的な学生不足に加えて学園全体の経営が悪化していることを踏まえ、存続は難しいと判断した。同短大は、在学生が全員卒業する来年度末に閉校となる。 

 同学園によると、募集停止は6月の理事会で決定し、7月に文部科学省に報告した。短大の在学生には9月下旬の夏休み明け以降に説明する。専任の教職員15人は学園内での雇用確保を目指すという。 

 青森短大は1962年設立。4年制大学への進学や少子化が進むにつれ、少なくとも7年前から定員割れが続くようになった。現在は、情報処理などを学ぶ「地域創造学科」だけが設置されており、学生は1、2年生計73人。定員120人に対する充足率は60・8%にとどまっている。 

 さらに、同短大を経営する青森山田学園は、他に経営する青森山田中学・高校や青森大学の生徒・学生数の減少などから、ここ数年経営が悪化。2009、10年度の決算では連続赤字に陥るなど厳しい財務状況にあり、定員割れの短大をこれ以上支えるのは難しいとして募集停止に踏み切る。 

 同学園の木村雅大本部長は、「歴史のある学校なので残念だが、やむを得ない。今後も学園の存続・発展に努める」と話している。 

短大減少止まらず

  深刻な学生不足は、青森短期大学に限らず全国の短大に共通する課題だ。止まらぬ少子化や高学歴化に各校とも対応を迫られている。 

 専門的な知識や技能を短期間に身に着ける場として全国に広まった短期大学は、1996年の598校をピークに減少に転じ、2011年には約35%減の387校にまで減少。年々増加の一途をたどり、過去20年間で約1・5倍に増えた4年制大学とは対照的だ。 

 日本私立短期大学協会(東京都)は、少子化で学生の数自体が減っている上、高学歴志向で4年制大学への進学が増えたことが打撃になっていると分析。「その4年制大学ですら最近は数が増え過ぎて厳しい状況にある中で、短大はなおさらだ」と指摘する。

 危機感は県内の各短大も共有している。約240人の学生が通う青森明の星短期大学(青森市)の蓮井直樹事務長は、「今回の募集停止も驚くことではない。それほど現状は厳しい」と話す。同短大はここ数年、共学への移行や社会人学生の受け入れなどで生き残りを図ってきたといい、蓮井事務長は「経済的な理由や地元への思いから短大を目指す人もいる。受け皿であり続けられるように努めたい」と力を込めた。

 

 

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