津波調査 防災に活用を 道内大学研究者ら報告会『北海道新聞』2011年8月12日付

『北海道新聞』2011年8月12日付

津波調査 防災に活用を 道内大学研究者ら報告会

 道内の大学や研究機関などでつくる北海道津波合同調査団は11日、東日本大震災による道内の津波の襲来状況の調査報告会を、北大(札幌市北区)で開き、調査結果をもとに今後の防災体制などについて議論した。 

 調査団は東日本大震災を受け、北大や室工大、北見工大などの研究者らで組織。3月下旬に、函館市から釧路管内釧路町までの太平洋沿岸部の津波の高さ、44の中小河川の津波の遡上(そじょう)距離、住民の避難行動を調べた。 

 津波の高さは最大で日高管内えりも町の3・5メートル。河川の遡上距離はがれきなどの痕跡から1キロ前後とみられる河川が多かったが、鵡川は5キロ、浦幌十勝川では4・5キロの遡上が確認された。 

 14市町村の住民1151人に震災当日の行動を聞いたアンケートでは、「避難した」と答えた728人のうち、避難指示や勧告が解除されるまで避難していた人は125人(17%)にとどまり、「もう安全だと思った」など、自己判断で避難先から帰宅した人が450人(62%)に上った 

 室工大大学院の中津川誠准教授は「潮位が最大になった時間帯に帰宅した人もいる。住民が津波の正しい知識を持つ必要がある」と指摘した。

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