千葉大、上海交通大と提携 産業ロボなど3分野研究『日本経済新聞』2011年8月6日付

『日本経済新聞』2011年8月6日付

千葉大、上海交通大と提携 産業ロボなど3分野研究

 千葉大学は、産業用ロボットなど理工系の3分野で中国の上海交通大学(上海市)と、教授や大学院生を交換留学する業務提携した。双方の大学が運営資金を拠出し、強みとする共通分野での研究を進める。将来的には、地元企業との産学連携によるビジネス化に取り組む計画だ。海外の大学と出資方式で業務提携するのは初めて。

 千葉大によると、業務提携に伴う年間の運営費用は約5200万円で、折半して拠出した。今年度は研究拠点の整備などに力を入れ、共同研究が本格的にスタートするのは来年度からという。

 3~4カ月程度の交換留学で数人の教授と20~40人の大学院生を受け入れ、産業用ロボットのほか医療器具、バイオメカニクスの3分野で共同研究を進める。動物の骨格や動きのメカニズムなどを研究するバイオメカニクスは、サメの肌の機能を取り入れた競泳用の高速水着の製品化につながるなど、世界的に注目されている分野だ。

 1896年設立の上海交通大は理工系学部が知られており、東京大や九州大、立命館大学などともすでに提携。水質浄化や太陽光発電装置などの分野で日中の共同研究に取り組んでいる。

 有名大学や研究機関の評価を行う英クアクアレリ・シモンズ社によると、2011年のアジアの大学ランキングで千葉大は51位で、上海交通大が33位。上海交通大側から話が持ち込まれ、千葉大側は「ロボットや医療器具の分野でほぼ同水準の技術を持つ大学との業務提携は、お互いの技術向上やビジネス化の機会拡大につながる」として受け入れた。

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