グローバル人材育成できるか 産業界の反応分かれる 東大の秋入学検討『日本経済新聞』2011年7月1日付

『日本経済新聞』2011年7月1日付

グローバル人材育成できるか 産業界の反応分かれる  東大の秋入学検討

 東京大学が入学時期を秋に移行する検討を始めたことについて、産業界からは「グローバル人材の育成にプラス」「学生の国際競争力向上につながるかは疑問」などの声が上がった。採用活動にも影響を与えそうだ。

 住友商事は「留学生が増えて日本の学生と切磋琢磨(せっさたくま)すれば、グローバル人材の育成にはプラス」と歓迎する。富士通の採用担当者は「高校卒業から入学までの半年間を留学などに有効活用してほしい」と話す。

 松本大マネックス証券社長は「よいアイデアだが本当に国際競争力がつくか」と疑問視する。中国の内定者の方が成長の速さ、意欲とも日本人学生を上回るという。

 卒業時期がどうなるかは不透明だが「秋入学が広がれば企業も採用活動を変える必要が出るだろう。海外の大学から優秀な人材を獲得する契機になるかもしれない」(メガバンク)との声が上がった。NECの採用担当者は「通年採用のような仕組みに移行する必要性が出てくる」と話す。

 中央官庁では「多様な経験を積んだ学生が増えることは歓迎だが、東大生だけのために採用方法を変えるわけにはいかない」(人事政策を担当する中堅幹部)と話す。

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