福井大、原発過酷事故防止を研究へ 『読売新聞』福井版2011年6月30日付

『読売新聞』福井版2011年6月30日付

福井大、原発過酷事故防止を研究へ

 福井大は、来年4月に国際原子力工学研究所に新設予定の「原子力防災・危機管理部門」で、福島第一原発で起きた水素爆発など、原発の過酷事故(シビアアクシデント)を食い止める研究に取り組む方針を明らかにした。

 避難範囲の度重なる拡大による混乱など、事故の教訓を踏まえ、適切な情報開示や避難誘導の研究も進める。

 福島第一の事故では、原子炉建屋の水素爆発が、放射性物質の大量放出の一因となった。また、高濃度の放射能で原子炉建屋に近付けなかったこともあり、メルトダウン(炉心溶融)発生の発表が遅れた。そこで、新設する部門では県内の原発事故を想定し、温度や圧力など限られたデータから、原子炉内の状態を把握する方法の開発を目指す。原発周辺の放射線物質の飛散状況を予想する「汚染分布マップ」の作成も手がける。

 福田優学長は「全国最多の原発立地県の大学として、他大学にない独自の研究を確立したい。今後の原発の安全確保に貢献できれば」と話している。部門新設にあたり、教員の増員を国に要望するという。

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