『読売新聞』2011年6月29日付
佐賀大、返還不要の奨学金
佐賀大は28日、返還の必要がない給付型奨学金を来年度から創設すると発表した。優秀な学生を早めに確保するのが目的で、1人当たり年間30万円を卒業までの4年間(医学部医学科は6年間)支給する。同大によると、学部生を対象にした給付型奨学金を導入するのは、九州の大学で初めてという。
佐賀大によると、名称は「かささぎ奨学金」。世帯収入などの経済的な制限は設けず、高校や中高一貫校を卒業または卒業見込みの受験生を対象とする。学校から提出される調査書(内申書)の成績が優秀で、一般入試(前期日程)や推薦入試で各学部の上位だった2、3人に支給する。支給の決定は、入学前までに通知し、ほかの大学に流れないようにする。
入学後に毎年継続して奨学金を受け取るためには、学内の定期試験で優秀な成績を収めることを条件とする方針。
一方、在学生についても、今年度から4年間の特例措置で、入学後から今年8月までの成績を評価し、優秀者に年間30万円の奨学金を支給する。返還する必要はなく、一学年で12人程度を予定しており、大学全体で約50人を見込んでいる。
28日の記者会見で佛淵孝夫学長は、「優秀な人材が他大学に流れることを防ぎ、入学後も学生の力を伸ばすために設ける。学生のやる気アップにつながることも期待している」と説明した。