ＮＨＫニュース配信記事2011年6月10 日付

韓国 授業料値下げ求める集会

大学進学率が８０％を超える韓国で、大学の授業料の値下げを求める大規模な学生の集会がソウル中心部で開かれ、警官隊との衝突に発展する事態となりました。

学歴を重視する韓国では、高校生の大学進学率が８４％と、世界トップレベルですが、大学の授業料は、物価などを加味した国際機関の指標でアメリカに次ぐ高い水準となっており、国民の大きな負担となっています。ソウル市内では、先月末から、大学生の団体の呼びかけて授業料を半額にするよう求める集会が行われており、１０日夜、これまでで最も多いおよそ５０００人の学生らが参加しました。大学授業料の半額化は、イ・ミョンバク政権の選挙公約の１つだったことから、集会では、学生や親たちがろうそくを掲げながら政府に対して公約を守るようシュプレヒコールをあげました。さらに、深夜になると、参加者の一部が大統領府に向かって行進を始め、警官隊と衝突して７２人が拘束される事態にも発展しました。この問題を巡っては、キム・ファンシク首相が１０日、大学の合理化や政府の財政状況を考慮して授業料の在り方を検討するよう、関係省庁に指示を出すなど、政府は事態の収拾に追われています。