名大に「ES総合館」完成 益川特別教授、若手の文化創造に期待『中日新聞』愛知版2011年6月2日付

『中日新聞』愛知版2011年6月2日付

名大に「ES総合館」完成 益川特別教授、若手の文化創造に期待

 名古屋大(名古屋市千種区)に、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英特別教授の研究室やノーベル賞展示室が入る新研究棟「ES総合館」が完成し、1日、記念式典があった。照明には、名大の赤崎勇特別教授の発明が知られる発光ダイオード(LED)を採用している。

 館内の全照明にLEDを取り入れたのは国立大で初。従来の照明と比較して電気代を36%削減できる。館自体も外側から入ってくる風が中庭に抜けやすいよう設計。窓部分には夏場の日差しを遮る特殊なひさしを導入し、冷暖房の電力を減らす工夫をしている。

 新研究棟には、益川特別教授が機構長を務める素粒子宇宙起源研究機構や工学研究科(工学部)理学研究科(理学部)が入る。益川特別教授の研究室やノーベル賞展示室は理学部A館から新研究棟に移転。フレンチレストランもある。

 1、2階が鉄骨鉄筋造り、3~7階が鉄骨造りで延べ1万5000平方メートル。老朽化し、耐震性も不足していた工学部4号館を取り壊して2010年1月から国の補助金40億円で建て替えを進めていた。名前は「Engineering(工学)」と「Science(科学)」の頭文字から取った。

 式典には、浜口道成学長や益川特別教授らが出席。益川特別教授は「名大の顔の一部になる建物。若い研究者がES総合館で名大の新しい文化を創ってくれるだろうと確信している」とあいさつした。

 (中村禎一郎)

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