産学官研究拠点 徳島大に開設 『読売新聞』徳島版2011年5月25日付

『読売新聞』徳島版2011年5月25日付

産学官研究拠点 徳島大に開設

 地域経済活性化に向けて県と徳島大が中心になり、最先端の研究で県内企業を支援するための施設「とくしま地域産学官共同研究拠点」が24日、徳島大の常三島キャンパス(徳島市)にある産学官連携プラザ内にオープンした。「LED(発光ダイオード)」、省エネ、新エネルギーといった「エネルギー」の2分野を中心に研究開発を進める。飯泉知事は開所式で、「企業に新たなビジネスチャンスを提供し、技術者にとっては、次世代の新技術を生む場に」などと期待の言葉を述べた。(田中渥子)

 同拠点はプラザ内の2、3階計約460平方メートルと、サテライト拠点として県立工業技術センター(同)の約190平方メートル。独立行政法人・科学技術振興機構(JST)が事業費約5億円を支援し、県と同大が2009年度から整備してきた。

 拠点内には、県内に世界最大規模のメーカーを持つLEDについて、新しい応用製品を製造するための機器、省エネルギー製品を生み出すための装置など31台の機器を備えた。同センターでは、LEDを食品分野に活用する「LEDアグリ融合応用」の研究を進める。

 特に、「化学成分解析装置」は、食品や飲料水の有用成分の化学構造について情報を得る装置で、「風味」「味わい」など感覚的なものを数値化し、違いが分かるようになる。また、「基板加工システム」は国内ではまだ珍しい装置で、レーザー光線を使うため、速く精度の高い基板を作れる。試作品が素早くできるため、作業効率が上がるメリットがあるという。

 ほかにも、「微細構造観察装置」は、走査電子顕微鏡で観測し、表面の形状を見たり、元素の種類を分析できる。そのため、材料や部品の不良解析などに役立つという。

 同拠点で行われた開所式では、飯泉知事、香川征学長らがテープカット。香川学長は「産学官の助走期間を終え、ホップステップジャンプの時期に来ている。ホップの時期に拠点ができた意義は大きい」と話した。

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