電通大:理系女子PR隊 「奨学金付き」で発足 『毎日新聞』2011年5月21日付

『毎日新聞』2011年5月21日付

電通大:理系女子PR隊 「奨学金付き」で発足

 ◇理系女子(リケジョ)

 電気通信大学(東京都調布市)は今春入学した女子学生の中から、奨学金付きの「女子学生PR隊」を発足させる。大学の広報活動への協力を条件とした奨学生で、同大学の英文略記を冠し、その名も「UEC WOMAN」。単科系国公立大学による奨学金付きの女子学生PR活動は、例がないといい、少子化が進む中、就職にも有利とされる「リケジョ」(理系女子学生)への注目を集め、男子学生中心からの脱却を目指す。

 同大学によると、昨年度の学部生4226人のうち、女子学生は338人で全体のわずか8%。学生支援担当の阿部浩二副学長は「同じ理系でも総合大学と違い、単科大学では特に女子学生が集まらない」と嘆く。

 打開策として浮上したのが“リケジョ本人による大学PR作戦”だ。今回創設する奨学金制度では、1、2年生時に50万円ずつ、返済不要の奨学金を支給し、卒業まで4年間の授業料も全額免除する。奨学金・授業料免除とも2年目以降の継続は成績で判定されるが、破格の扱いだ。

 申請条件は、学業成績・人物ともに優秀で、経済的支援が必要とされることに加え、「本学の教育活動・広報活動に協力し、本学の発展に貢献する意欲のある者」で、5人の枠に対し19人が申請。1年生の女子学生は75人おり、約4分の1が応募したことになる。

 エッセーなどで1次選考し、18日に最終面接を実施した。23日には記者会見を開き、早速、デビューする。具体的な活動としては、大学のPR誌への登場や編集への参画、高校への出前授業への同行などが想定されている。

 阿部副学長は「マスコットガールではありません」とクギを刺しながら「女性でも理系で十分楽しく研究できる、ということを広めてほしい」と期待を寄せている。【福田隆】

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