日経電子版配信記事2011年4月27日付
NICT、北陸先端科学技術大学院大学と連携推進に関する協定を締結
情報通信研究機構と北陸先端科学技術大学院大学との連携推進に関する協定の締結について
独立行政法人情報通信研究機構(宮原秀夫理事長:略称NICT)と国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(片山卓也学長:略称 JAIST)は、平成23年4月27日(水)、災害に強い情報通信ネットワークの共同研究や人材交流等、情報通信分野における幅広い相互協力を一層推進するための連携協定を締結しました。
両機関は、これまで、個別の分野において共同研究や相互の研究者の交流を実施してきました。今回、この連携を組織的な連携へと発展させ、本協定の下、共同研究、施設設備の相互利用、研究者交流を一層積極的に推進し、我が国の情報通信技術のさらなる発展に寄与します。
1.協定締結の目的
NICTとJAISTは、情報通信分野において幅広く協力することにより、両者の研究開発の推進、ひいては我が国の情報通信分野の人材育成の推進及び研究開発の発展に寄与するため、両者の連携推進に関する協定を締結する。
2.これまでの協力実績
(1)NICTの前身である電波研究所、通信総合研究所時代から共同研究等の研究交流実績が多数ある。
(2)NICTとJAISTとの間の協力実績
・共同研究、委託研究、研究者交流・派遣や連携による教育カリキュラム等を実施してきた。
・インターネット及びユビキタスシステムに関するシミュレータを共同で構築し、多くのシステムの研究開発に貢献してきた。
・共同での国際シンポジウム主催等、グローバルな研究・教育環境下での協力にも注力してきた。
・長年にわたりNICTの研究者がJAISTの教育・研究指導に協力するとともに、JAISTの研究者もNICTの拠点研究活動に協力してきた。
・その他、国際会議・学会・研究会等で密接に協力してきた。
3.今後の協力をしていく研究・活動例
これまでの協力実績をさらに充実させ、以下の活動を実施していく予定である。
(1)ネットワークテストベッドに関する研究とその利活用による人材育成活動の推進
・NICTのネットワークテストベッドに関する技術とJAISTのネットワークシステムや情報環境に関する研究成果を持ち寄り、ネットワークに関連する研究開発を支援するための研究開発基盤の先端的研究とその基盤を活用した人材育成を推進する。
・具体的には、大学院生に対する演習授業へのNICTのテストベッドやテストベッド技術の活用を通じて、研究開発から人材育成までを含む総合的な研究開発支援基盤のあり方に関する先導的な研究を推進する。
(2)高信頼ネットワークに関する先端的研究
・これまで両者で培ってきた高信頼ネットワークに関する技術の高度化に向けた先端的・基礎的な研究を推進する。
・具体的には、信頼性が高く災害にも強いネットワークの早期実現に必要な検証環境を実現するとともに、新世代ネットワークやサイバーフィジカルシステム(注)等新しいネットワークの信頼性に関する評価手法の研究等を推進し、我が国の国際競争力向上に貢献する。
(注)サイバーフィジカルシステム:ホームネットワークやセンサーネットワーク等「実世界のユビキタスシステム」とクラウドコンピューティング等「サイバー空間のシステム」を組み合わせることで、より効率の良いサービスを実現するシステム
● 関連リンク
(独)情報通信研究機構 ホームページ