筑波大の震災被害70億円超 最先端の実験設備も大破 『朝日新聞』茨城版2011年4月29日付

『朝日新聞』茨城版2011年4月29日付

筑波大の震災被害70億円超 最先端の実験設備も大破

 筑波大学は28日、東日本大震災で壊れた研究設備や施設などの被害が70億円を超える見通しだと発表した。

 内訳は研究に使う機器などの設備が40億円超。体育館や図書館、職員宿舎などの施設の被害も約30億円に上るという。

 設備では、研究基盤総合センターにある、粒子を調査、分析する高さ17.9メートル、直径4.8メートル、重さ約120トンの加速タンクの内部が崩落。1975年に約6億円で建設した加速器が、使用できなくなった。生命環境科学研究科では、世界でも最先端の、藻類からバイオマス燃料を開発する実験設備が大破。数理物質科学研究科でも、基盤機器が破損。電子顕微鏡などの小型機器も多くが壊れ、実験、研究が停止している。

 施設は、体操や部活動に使用している総合体育館や体育・芸術図書館などで外壁や窓ガラス、天井などが大破し、建て替えも検討しているという。

 改修費の多くは、国の予算が頼みになる。山田信博学長は「ライフラインの復旧が優先されるのは当然だが、研究の重要性を丁寧に国に説明し、予算を確保したい」と話した。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com