iPS細胞で精子や卵子作製へ…京大計画を文科省了承『読売新聞』2011年4月14日付

『読売新聞』2011年4月14日付

iPS細胞で精子や卵子作製へ…京大計画を文科省了承

 京都大は13日、様々な組織の細胞に変化できる、人のiPS細胞(新型万能細胞)やES細胞(胚性幹細胞)から、精子や卵子などの生殖細胞を作る山中伸弥教授らの研究計画が、文部科学省から了承されたと発表した。

 研究が進めば、新たな不妊治療につながると期待される。人の生殖細胞を作る研究は昨年5月に解禁されており、計画の実施が認められたのは慶応大に次いで2例目。

 京大によると、研究では▽iPS細胞やES細胞から、正常に成熟した生殖細胞を効率よく作る方法▽生殖細胞を作るのに最適なiPS細胞の選別方法――の確立を目指す。

 将来的には、これらの基礎研究をベースに、不妊症の原因解明や予防法、新薬開発に向けた研究の基盤を築く考えだ。研究計画は学内の倫理委員会の審査・承認を経て、今年3月に文科省に届け出ていた。

 人の生殖細胞作製を巡っては、米国の研究チームが、iPS細胞やES細胞から精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」を作ることに成功しているが、正常に成熟した生殖細胞はまだ得られていないという。作製した精子と卵子を受精させるのは倫理的な問題が大きく、文科省の指針で禁じられているため、行わない。

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