『西日本新聞』2011年3月21日付
こども病院移転で九大併設再検討求める 検証委
福岡市立こども病院(中央区)の人工島(東区)への移転計画を検証する調査委員会(委員長=北川正恭・早稲田大大学院教授)の第4回会合が20日、福岡市役所であり、九州大学医学部敷地内(東区)へ移転させる構想について「市民にメリットがある」として再検討を求める意見が出た。次回(27日)に協議し、移転先の選択肢に加えるかどうかを判断する。
この構想は、医師有志が「こども病院と九大病院が併設すれば、幅広い分野の小児疾患に対応でき、患者が成人しても診療できる」と2008年に市に提案した。市によると、九大病院長は市側との計4回にわたる面談で「こども病院を受け入れるための土地提供は難しい」としていた。
この日の会合で、田口智章委員(九大大学院教授)は「高島宗一郎市長が九大学長に正式に要請すれば、もう一度検討される」との認識を示した。その上で、広い敷地が前提ならば困難だが「エレベーターを用いて病院を高層化するのであれば、検討される余地はあると思う」と述べた。