甲府市農場で放線菌研究新年度梨大と市が農業連携『読売新聞』山梨版2011年2月25日付

『読売新聞』山梨版2011年2月25日付

甲府市農場で放線菌研究新年度梨大と市が農業連携

 山梨大学が、2012年度の農業系新学部「生命環境学部(仮称)」開設に向け、新年度から甲府市と農業分野での連携事業に乗り出すことが24日、関係者への取材で分かった。同市小曲の市農園「小曲試験圃場(ほじょう)」の一部を借り、土壌に自然に生息する「放線菌」を利用した県産果実の無農薬栽培などの実習に取り組む。大学と市の関係者は「農業の新たな発信基地にしていきたい」と意気込みを語る。

 同大が借りるのは、同農園8・8ヘクタールのうち2・6ヘクタール。10月をめどに、ガラス温室2棟やブドウ用の棚木などを設置し、桃やブドウの苗木を植える。キノコなどの栽培も検討している。

 同大は、結核の抗生物質やフィラリアなど寄生虫病の特効薬を生み出した「放線菌」を利用し、野菜や果実を無農薬で栽培する研究を行っている。今回の連携事業では、放線菌を利用した堆肥を使って、桃やブドウ、スモモなどの無農薬栽培や品種改良などに取り組む方針だという。

 同大の関係者は、「大学の知恵を結集し、地場産品の振興に協力したい」と語る。市の関係者も「農薬不要の肥料などが開発されれば、地元農家に使ってもらうこともできるのでは」と期待を寄せている。

 同大は新学部の開設後に60人規模で授業を行える教室を備えた管理棟も新設する予定。関係者は「大規模な実習に適した土地がなかったので、利用できるのはありがたい」と話している。

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