東京農工大、口蹄疫などの研究拠点を設立-国際取引や補償を分析『日刊工業新聞』2011年2月25日付

『日刊工業新聞』2011年2月25日付

東京農工大、口蹄疫などの研究拠点を設立-国際取引や補償を分析

 東京農工大学は4月に家畜の口蹄(こうてい)疫などを取り上げる「国際家畜感染症防疫研究教育センター」を設立する。ウイルスや防疫の研究だけでなく、国際取引での被害や補償の経済分析を行うのが目玉だ。海外機関との間で企画・調整を行う国際コーディネーターという新たな職を含め、専任教員ら6人体制で研究や人材育成を手がけていく。

 獣医学の感染症と経済学を結びつけた研究を新たに始めるのは、口蹄疫の問題が畜産の効率低下にあるためだ。感染力は強いが死亡率は高くない。問題は乳牛の乳が出なくなったり、家畜の口やひづめにできる水泡で飼料が食べられなくて繁殖率が低下したりする、産業としての被害だ。

 高級牛肉を輸出する日本では、発生で輸出禁止となった場合の経済損失が大きい。発生農場で処分する牛は、大規模な場合は6000頭にも上り補償額も膨らむ。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com