大学進学に給付型奨学金 県内で初めて 白河『河北新報』2011年2月22日付

『河北新報』2011年2月22日付

大学進学に給付型奨学金 県内で初めて 白河

 福島県白河市は新年度、成績が優秀でも経済的な事情で大学進学が困難な高校生を支援するため、返還の必要がない「ガンバルしらかわ人奨学金」を創設する。大学進学者への貸与型の奨学金は多くの自治体が設けているが、給付型は福島県内で初めてという。

 対象は市内に住む高校生で、市の基準で子どもの養育費を控除した後の保護者の所得が150万円以下の場合。大学の文系に進学した場合は年36万円、理系は年60万円を卒業まで4年間(医・歯学部などは6年間)支給する。

 高校の成績証明書や小論文の提出を求めた上で、面接をして支給の可否を決める。進学後も毎年、成績を審査する。

 初年度は文系、理系合わせて4人を想定する。市は、3月2日開会の市議会3月定例会に提出する新年度一般会計当初予算案に192万円を計上した。

 高校の授業料が無償化された中、子どもの貧困を救う次のセーフティーネットとして創設を決めた。市には既に貸与型の奨学金制度があり、給付型と同時に利用できる。

 鈴木和夫市長は「優れた人材が埋もれるのは社会の大きな損失。今までより一歩踏み込んで、困っている子どもを支援したい」と説明している。

 市によると、給付型奨学金は三重県松阪市などが設けている。

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