県が独自奨学金制度/学生、県内就職で返還減免『四国新聞』2011年2月16日付

『四国新聞』2011年2月16日付

県が独自奨学金制度/学生、県内就職で返還減免

 学習意欲や能力のある学生を応援しようと、香川県は大学生らを対象にした県独自の奨学金制度を創設する。貸し付けは無利子で、卒業後に香川県内企業などへ就職すると返還額の減免があることなどが特徴。2月定例県議会に条例案を提出し、2012年度からの開始を目指す。県内就職に対する優遇措置を設けた同様の制度は全国で初めてという。

 11年度当初予算案にシステム開発や制度の広報など準備経費として1200万円を盛り込んだ。

 県独自の奨学金制度の創設は、子育て支援の一環として知事が公約に掲げていた肝いり施策の一つ。これまでの県の奨学金は高校生が対象で、大学生向けは医療系学生を除いてなかった。

 奨学金の貸し付け額などは日本学生支援機構の第一種奨学金制度を基準に設定。対象となるのは、大学生、大学院生、専門学校生、高専生(4・5年)で、年100人程度を予定。保護者らが県内に在住する▽保護者らの所得金額が一定基準以下▽学業成績が優秀―などが条件となる。

 奨学金件は学校の種別や自宅生か下宿生かなどにより、月3~6万円程度を無利子で貸し付ける。貸し付けた期間の約3~4倍を返還期間とする。

 また、優秀な人材確保や子育て支援の観点から、卒業後、県内企業などに就職し一定期間以上勤務すると返還額の一部を免除するほか、3人以上の子どもがいる世帯を対象に優先枠を設ける。

 制度開始に向け、来年度中に債務管理などを行うシステムを構築し、夏ごろをめどに申請を受け付ける予定。初年度となる12年度に限り、11年度入学の学生も貸し付け対象に加える。

 知事は「経済的理由で進学をあきらめたり、子どもを控えることがないようにし、元気のある香川づくりにつなげたい」としている。

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