熊本県、九大と有機ELで連携 製品開発や人材育成『日本経済新聞』2011年2月11日付

『日本経済新聞』2011年2月11日付

熊本県、九大と有機ELで連携 製品開発や人材育成

 九州大学と熊本県は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の技術開発で連携する。九大の材料技術を熊本県内の企業に移転するほか、同県が開設する有機EL製品の試作・評価施設を活用した製品開発や人材育成に取り組む。有機EL照明を手掛ける地元企業とも協力し、九州に有機ELの関連産業を集積させる狙いだ。

 連携協定を結ぶのは、九大の有機EL研究を担う「最先端有機光エレクトロニクス研究センター」(OPERA)と、熊本県などが今月設立する「くまもと有機薄膜技術高度化支援センター」。支援センターには有機ELを使った機器の試作や評価ができる設備が整い、地元企業や大学が研究開発に活用する。

 九大はOPERAで有機EL用の材料開発を中心に手掛けている。一方、熊本県は半導体関連産業が集積。地元に製造装置や電気回路のノウハウを持つ企業が多く、有機ELを使った機器開発で相互補完効果が期待される。

 当面は発光ダイオード(LED)に次ぐ省エネルギー照明として期待される有機EL照明の開発に取り組む方針だ。

 熊本県には三洋電機の元技術者が設立したベンチャー企業、イー・エル・テクノ(福岡市、米田清社長)が有機EL照明の工場を開設するなど、関連産業の集積も見込まれている。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com