群大医学部、医学科の定員6人増 地域医療枠も拡大『朝日新聞』群馬版2011年2月5日付

『朝日新聞』群馬版2011年2月5日付

群大医学部、医学科の定員6人増 地域医療枠も拡大

 群馬大学医学部は来年度の医学科の定員を6人増やし、123人にする。文部科学省が地域の医師不足解消のため、緊急的に定員増を認めるもので、3年連続となる。県の奨学金を受ける代わりに県内で10年間勤めることを義務づける「地域医療枠」も拡大し、県内の医師を確保する。

 同科の定員は100人を保ってきたが、2009年に10人、2010年にはさらに7人増員した。来年度には全国23大学で定員を増やすが、6人は杏林大とともに全国最多となる。

 定員増の背景には深刻な医師不足がある。厚生労働省が昨年実施した調査によると、全国平均では現在の1.14倍の医師が必要とされるが、県内はそれを上回り1.19倍が必要とされ、469.1人足りないとされる。

 一般的な入院が必要な医療を行う二次保健医療圏の圏別で見ると、吾妻が1.53倍、桐生と富岡が1.29倍と医師不足が目立つ。

 館林厚生病院や東吾妻町の原町赤十字病院では小児科と産婦人科の常勤医師が不在の状態が続いている。県は教育の質を維持できる限りでの定員増を群馬大に求め、今回の定員増につながったという。

 「地域医療枠」の今年度入学者数は17人。県は11年度当初予算案で、18人分の7707万円を計上した。

 同枠は09年度から設けていて、入学試験の成績順に希望者は振り分けられる。県から奨学金として入学金28万2千円と月15万円を6年間受け取れる代わりに、卒業後、県内の公立病院や臨床試験の指定を受けている病院で10年間働くことが義務づけられている。

 県医師確保対策室によると、群馬大卒の医師の約半数が、県内の高校から群馬大医学部に進学した場合は約9割が、県内に残っているという。このため、「定員を増やすことにより、県内の医師確保に結びつくのでは」と期待を寄せている。

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