佐賀大授業料減免を拡充 独自予算で169人救済『佐賀新聞』2011年1月26日付

『佐賀新聞』2011年1月26日付

佐賀大授業料減免を拡充 独自予算で169人救済 

 佐賀大学(佛淵孝夫学長)は本年度後期の授業料減免措置を拡充した。不況で学生の家庭の窮乏が深刻化。減免申請が前年より1割増え、国の予算枠だけでは対応できなくなり、大学として独自に2200万円の予算を組んだ。既存の枠組みで減免できなかった学部生と大学院生169人を新たに救済。全体では在学者の13%に当たる975人を減免した。

 佐賀大の授業料は半期26万7900円。国の免除枠は授業料収入の6・3%で、後期分は総額1億2千万円弱だった。授業料減免は申請制で、保護者収入にアルバイト料や奨学金も勘案した総収入から必要経費などを引いて「総所得金額」を算出。その額からさらに、世帯人員数などに応じて定められている「収入基準額」を引いて家計を評価し、成績を加味して選定する。

 佐賀大によると、本年度後期の免除申請は前年同期比91人増の1080人。法人化直後の2004年度前期と比べると42%も増えた。

 これまでは、困窮度の高い順にまず半額免除し、予算に残額があれば全額免除に切り替えてきた。本年度後期は対象者が増えて半額免除さえ行き渡らず、全額免除が全くできない状態に陥った。

 大学は運営費から約2200万円を捻出。半額免除だった82人を全額免除にし、不許可になっていた87人を半額免除にした。減免措置を受けたのは最終的に前年同期比86人増の975人(全額82人、半額893人)になった。

 全額免除対象者の家計状況は、世帯年収が300万円未満で、ひとり親家庭の比率が高い傾向などがあるという。経済学部3年の女子(21)は両親が手がける店の経営が厳しく、週に3、4日バイトをして奨学金も受けているが、「免除制度がなければ大学に通えない」と話した。

 佐賀大の瀬口昌洋理事は25日の会見で「厳しい経済状況が続いており、困窮する学生を支援していきたい」と語った。国は新年度、免除枠を授業料収入予定額の7・3%に拡充する方針。

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