『読売新聞』2010年12月29日付
教員免許更新期限迫り…年の瀬、義務講習に殺到
教員免許更新制となって初の更新のための手続き締め切りが来年1月末に迫る中、必要な講習を終えていない教員たちが残り少ない講習に殺到している。
年内は28日まで開催されたが、年明けはインターネット講習など限られたものだけ。全員が受講可能な計算ではあるが、文部科学省も教育委員会も「全員救済」に向け受講を呼びかけるなど必死だ。教員の能力保持や向上が目的の制度だけに、「免許失効を回避するためだけの受講にどんな意味があるのか」との声も上がる。
「こちらがハラハラしてくる」。更新用のインターネット講習を行う桜美林大(東京)の教員免許状更新講習センターの本郷優紀子・事務局長は心配そうだ。今月だけで134人が申し込み、うち7割超の101人は1月末が更新期限。今月下旬になってからも「まだ申し込みできるか」などの問い合わせが次いだ。
文科省の推計では、来春に期限を迎える対象者約8万5000人中、今年の夏休み終了時点で約5100人が受講しておらず、うち約2000人は受講の申し込みもしていなかった。
駆け込み受講の受け皿にと、千葉大が24、25日に追加開催した講習には、期限を迎える56人が参加。その一人、東京都福生市の中学校男性教諭(55)は「(更新制の抜本見直しを打ち出していた)民主党政権になり廃止を期待していた。春から秋は監督を務める部活の日程でいっぱいで受けられなかった」とぼやいた。