科学研究費、繰り越し可能に…一部を基金で運用『読売新聞』2010年12月21日付

『読売新聞』2010年12月21日付

科学研究費、繰り越し可能に…一部を基金で運用

 政府は、来年度予算編成で、「科学研究費補助金(科研費)」の一部について、翌年度への繰り越しが自由にできる制度改正を行う方針を決めた。

 単年度予算の制約を受けない「基金」の形で補助金を運用する。年度末の予算消化のために生まれる無駄をなくし、研究費を効率的に使える体制に改める。研究が進んだ場合は、研究費を前倒しして使うこともできる。

 1965年度に創設された科研費は現在、年間約6万件の研究を支える日本の学術研究の土台だが、抜本的な制度改正は初めて。

 総額2000億円(今年度)に上る科研費のうち、来年度はまず約310億円を基金化する。若手研究者向けの研究費が中心になる。現在でも研究計画に変更があった場合は国に申請すれば繰り越しが認められるが、そのための時間や労力が研究の妨げになるとして、研究者が長年、制度改正を強く求めていた。

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com