来年度予算編成が最終盤へ 帳尻合わせで綱渡りの作業 産経ニュース配信記事 2010年12月16日付

産経ニュース配信記事 2010年12月16日付

来年度予算編成が最終盤へ 帳尻合わせで綱渡りの作業

 平成23年度税制改正大綱が16日にまとまり、予算編成作業は最終盤に入った。政府は同日、予算編成の基本方針を閣議決定し、新規国債発行の44兆円以下への抑制や、国債費を除いた歳出の大枠を71兆円以内にする財政健全化目標を堅持した。財務省は「埋蔵金」など税外収入の確保や歳出削減で最終調整を続けるが、24日の予算案決定まで綱渡りの状態だ。

 政府は23年度予算案の一般会計総額を93兆円前後と想定する。税収は41兆円程度の見通しで、新規国債発行を44兆円以下に抑えるためには、8兆円程度の税外収入の確保が必要になる。ただ、現時点で税外収入は4兆円程度にとどまり、特別会計の剰余金など埋蔵金の上積みが欠かせない。

 財務省は独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の利益剰余金(約1兆5000億円)のうち、1兆円超の国庫返納を国土交通省と協議中だ。他の埋蔵金もかき集めるが、法人税の実効税率引き下げの財源を企業向け優遇税制の見直しなどで捻出できなかった結果、5千億円規模の財源不足が発生し、「ハードルは一段と高くなった」(財務省幹部)。

 歳出面でも厳しいやりくりを迫られる。国債費を除く歳出の大枠を71兆円以下に抑えるとした基本方針に対し、各省の概算要求額は72兆6000億円に達している。このうち、23年度予算案で設けた「特別枠」の総額は、想定の1兆3000億円規模から2兆円超にすることを認める方針だ。このため、財務省は特別枠は削らずに、公共事業削減などで対応する構え。ただ、16日に野田佳彦財務相と会談した馬淵澄夫国交相は「成長戦略にあった形での公共事業を提示した」と、強い抵抗感を示した。子ども手当の財源負担をめぐる地方の反発も強く、予算編成作業の難航は必至だ。

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