レアアース代替開発/東北大の研究に期待『朝日新聞』宮城版2010年11月17日付

『朝日新聞』宮城版2010年11月17日付

レアアース代替開発/東北大の研究に期待

 16日の衆院本会議で可決された今年度補正予算案には、中国からの輸入に依存してきたレアアース(希土類)の代替技術の開発費が盛り込まれた。特に磁石開発は東北大学が世界をリードしてきた分野で、その研究支援のために補正予算が使われるとの見方もある。

 「東北大の研究は重要。必要な予算は今までの分も含めて推進していくだろう」。東北経済産業局の豊国浩治・局長は同日の定例会見で期待感を示した。補正予算はこれから参院で審議が始まり、具体的にどの研究を支援するかは未定だが、経産省によると全国で使う研究費は120億円程度となる見通しだ。

 対象の一つになりそうなのは東北大杉本諭(さとし)教授の研究。希土類の一つで、ハイブリッド車のモーターに使う磁石に使われる「ジスプロシウム」の使用量を減らす研究の第一人者だ。2007年度から5年で、使用量を3割減らす研究が順調に進んでおり、杉本氏には「研究成果を前倒しできないか」「使用量を7~10割減らせないか」といった声が独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などから寄せられているという。

 杉本氏は朝日新聞に「研究開発のスピードを加速できるものは進めていきたい」と述べ、今後の研究目標として「40~50%削減を目指したい」と語った。

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