奨学金利用約3000人増 県内5大学05年度比『琉球新報』2010年11月19日付

『琉球新報』2010年11月19日付

奨学金利用約3000人増 県内5大学05年度比

 県内の4年制総合大学5大学で、奨学金制度を利用した学生が、2005年度の4622人から09年度は65%(2999人)増の計7621人と急増したことが18日、琉球新報の調べで分かった。

全学生に占める受給者の割合は05年度比16ポイント増の43%。2・3人に1人が経済的な支援を必要としている。09年度に経済的な理由で休学した学生は計219人、除籍者は計224人、退学者は計40人。年間500人近くが、経済的な事情で大学での就学を阻害されており、県内学生をめぐる厳しい実情があらためて浮き彫りになった。

 大学側は「『給与やボーナスが減額され経済的に厳しい』などの声が多い」と指摘。受給者増を「経済事情の悪化を反映している」とみる。各大学では独自に給付型の奨学制度を拡充しているが「大学独自の支援には限界がある」などと、抜本的な制度改革を求める声が上がっている。

 調査は10~11月、琉球大、沖縄国際大、沖縄大、名桜大、沖縄キリスト教学院大にアンケートを実施。過去5年間の奨学金受給者数の推移などを聞いた。

 奨学金受給者数は05年度以降4622人、5426人、6403人、7011人、7621人と右肩上がりで増加。受給割合も27%から、31%、36%、40%、43%と年々増加している。

 経済的理由による休学・除籍・退学は年ごとに増減があるが、09年度の休学者は05年度比13%増の219人、除籍者は27%増の224人。退学者は13%減の40人となった。(知念征尚)

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