公正な学長選考を求める裁判を支える会ニュースレター NO.22 2010、8、5

ニュースレター NO.22

                    2010、8、5

公正な学長選考を求める裁判を支える会

      事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内

        (TEL/FAX 088-844-1489)

  裁 判 報 告 3

  5月21日の裁判での証言の第三弾です。

  今回は、根小田渡 前人文学部長(証言後半)と高橋正征 前黒潮圏海洋科学研究科研究科長の証言です。

Q:あなたは学長選考会議の副議長あるいは議長代行だったが、自分の意志で辞任されたのか

根小田:篠議長に対して、選考会議としては徹底した真相究明をすべきであるとメールで申し入れた。それに対してきちんとした返事は無く、電話で「あなたは副議長(議長代行)としてふさわしくないので、辞任するように」と伝えられた。

議長の運営に対して強い批判をもっていたので、副議長を辞することにした。

Q:学長選考会議ではどのような議論がされたのか

根小田:冒頭、篠議長が、「(経過報告書にある)1票差が正しいということで議論したい」と発言した。自分はそれに反対し何人かの委員も同意見だったが、41票差または1票差が正しいといういずれの意見も多数を制することはできなかったので、結局どちらが正しいかは、それぞれが判断して議論に臨むということになった。

ここから高橋名誉教授の証言

Q:学長候補者となるまでにつとめていた、学長選考会議議長のときのことについて質問したい。その時問題となったのは、どのようなことか

高橋:学長選考規則の制定である。

Q:それまでは規則はなかったのか

高橋:相良学長になってからの初めの2年間は、学長選考会議は1回開催されただけで、その後ずっと開かれず、規則も作られなかった。(註:その後に高橋氏が学長選考会議の委員になり議長に選出された)

Q:規則制定にあたってどんなことが問題になったか

高橋:大きく二つあって、一つは「意向投票」の問題、もう一つは任期の問題である。

「意向投票」をおこなうかどうかについては、法人化前は教員全員の直接選挙で学長が選ばれていた経緯があるので、選挙をやることになった。その場合、法人化された学長は経営にも関わるので、教員に加えて事務職員も投票できるようにした。大学は利潤追求をする会社ではなく、自由闊達な議論を通して自律的に運営されるものなので、学長が教育・研究に携わる多くの人たちをまとめていくためには、選挙によって信任されることは重要なことであるという合意ができた。

 任期については、一期目4年二期目2年合計6年ということになった。しかし、相良氏については、3年以上さかのぼってこの規則を適用するのは無理があるということで、それまでの4年間には適用しないことになったので、次からが一期目という計算になる。

 Q:もし、あなたが選ばれたとしたら、合計何年学長職にあることが可能なのか

高橋:6年

Q:相良氏の場合は

高橋:10年、さらに彼の場合独法化以前の半年間も学長を勤めているので、1

0年6ヶ月ということになる。

Q:学長候補としてあなたの考えなどを選考委員が知る機会はあったのか

高橋:推薦を受けた際の「所信」や「経歴・業績」などの文書は会議に提出された。

Q:直接選考会議メンバーの前であなたの考えを説明する機会はなかったのか

高橋:そのような機会があればいいとおもったが、残念ながらなかった。

Q:学長選考に意味についてどのように考えているか

高橋:法人化後の大学において学長の役割は極めて重要だと思う。なぜなら、以前に比べて極めて大きな権限を与えられているからだ。その意味で、どのような人を学長に選ぶかというのはその大学にとって大きな問題であり、また、国立大学の予算の多くが税金からまかなわれていることを考えれば社会的に極めて重要であると思う。

 ○ 5月21日の証言は以上です。根小田、高橋両氏の証言に対して大学側(国側)

弁護人からの質問(反対尋問)は一切ありませんでした。今回取り上げた証言の重要なポイントは次のとおりです。

1 根小田氏が学長選考会議副議長をやめる(事実上の更迭)に際してのなまなましいやりとりが明らかになったこと。

 2 高橋氏の証言から、学長選考会議が2年も開催されず「選考規則制定の遅延の結果として」相良現学長が10年6ヶ月の間学長職にあることが可能になったということが確認されたこと。

そして高橋氏の「どのような人を学長に選ぶかというのは・・・国立大学の予算の多くが税金からまかなわれていることを考えれば社会的に極めて重要である」という発言は、大学予算の大幅な削減の危機にあり、国立大学の運営への税金の投入に対する国民の理解を得なければならない現在、噛み締めるべき言葉であるといえるでしょう。

 次回 8月12日(木) 11:00~ 高知地裁

 いよいよ結審です。原告(我々)側弁護人による最終弁論が予定されています

 

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