ニュースレター NO.20
2010、7,9
公正な学長選考を求める裁判を支える会
事務局:高知県高知市曙町2-5-1 高知大学教職員組合内
(TEL/FAX 088-844-1489)
裁 判 報 告 1
今号から数回に分けて、5月21日の裁判での証言内容についてご報告します。
当日の証人調べは午前中に元職員B氏(当時総務部長)、職員K氏(当時秘書課課長補佐)の証人尋問が行われ、お昼の休憩をはさみ,午後に意向投票管理委員会委員長(当時)I氏、根小田渡・前人文学部長、高橋正征・前黒潮圏海洋科学研究科研究科長が証言しました。
このうちB氏、K氏、I氏への質問は重複する部分が多いので、以下にまとめてご報告することにします。質問は特にことわらないかぎり、原告側弁護人によるものです。
Q:箱の距離はどれくらいであったか?
B:あまり離れていなかった。50センチから1メートルくらい。
K:1メートルくらい。
I:手を広げて「これくらい」(50(60?)センチくらいか?)。
Q:票を入れた二つの箱の色は何色だったか?
B: 色が違ったという記憶が無い。
K: 赤と白。
I:ベージュと白(K証言では「赤と白」だったといわれて、「そうだったかも」)。
Q:箱の外に置かれた票の存在(被告側弁護人)
B:箱の外に票が置かれているのを見た。委員長(I)が箱の中に入れたと思う。
I:箱の外に票はなかった。(自分は開票が行われているのを終始見ていた)
Q:なぜ、二束ずつ数えたのか?
I:委員を信頼していたから。それまでの開票作業を見ていてミスが起こるはずがないと考えていたから。
(どのように?)
両手にいくつかの票の束をもち(ジェスチャーしながら),手の平の中で,二,四,六,と数え,箱に戻した。
Q:秘書課金庫はどのような状態だったか?
K:鍵は秘書課の机の引き出しにあって、誰が取り出すことも可能だった。また、金庫に票の入った箱を入れたあと鍵をかけたかどうかよく覚えていない。金庫内にスペースをつくり,箱を重ねて置いた。
Q:誰が金庫を開けることを指示したのか?
B:自分である。
K:Bが秘書課に直接来て開けるように言った。
Q:金庫を開けた目的は何か?
B:整理のためである。票の束以外に票を集計した用紙も一緒に入っているので、きちんと整理しておく必要があったから。自分がたまたま高橋票の入った箱を開けた。混入した相良票の束は一番上にあったわけではない。票を確認していて気づいた。
Q:どのように整理するつもりだったのか?例えば相良票と高橋票を分けて袋に入れるとか
(裁判長)
B:そういうことはなにも考えていなかった。
K:作業は秘書課のカウンターの上でやった。
自分は相良票を取り出して数を数えた。
(なんのために)
K:それとあっているかどうか確かめるために。
(それってなんですか)K:・・・投票総数とあっているかどうか確かめるために。
(相良票の入っている箱をとったのは自分でか?Bに渡されたのか?)
K:はっきりしないが自分で取ったのだと思う。
(B氏は票の混入を見つけてなんと言ったか)
K:票の束をみせて『これがまざっていた』といった。
○ ここまでの証言で、いくつか重要なことが明らかになりました。
1 開票過程でミスが起こった可能性があるという大学側(国側)の主張の根拠となっていた二つの点(二つの箱がかなり近くに置かれていた、箱の外に置かれていた票を委員長があとから箱に入れた)が否定されたことです。
2 また、開票済みの投票用紙を収納していた、秘書課の金庫が誰にでも開けられる状態であった(鍵がかかっていなかった可能性もある)ということも明らかになりました。すなわち収納後に誰かが票の改竄を行おうと思えばその機会があったということです。
3 そして、二人の職員は,自分たちが金庫をあけて投票用紙を取り出した目的
・理由を明確に答えられない、それどころか、どのような作業を行おうとしていたのかさえ答えられないということもはっきりしました。
証言はさらに続きます。次号では、「票の混入が発見」されてからのことについての質問と証言をお送りします。