教員任期制で意見分かれる 富山大学長選で候補3氏が討論会『北國新聞』 2010年10月19日付

『北國新聞』 2010年10月19日付

教員任期制で意見分かれる 富山大学長選で候補3氏が討論会

 富大の次期学長を選ぶ学長選考会議(議長・中島恭一富山国際大学長)は18日、富大五福キャンパスで、第2次候補適任者の遠藤俊郎富大附属病院長(64)、富山県産業保健推進センター所長の鏡森定信富大名誉教授(67)、平井美朗理事・副学長(62)=50音順=による公開討論会を開き、3氏が所信と在任中に取り組む課題を述べるとともに、教職員の質問に答えた。遠藤、平井氏は、旧3大学が2005年の再編統合時に交わした覚書を見直す考えを示し、教員の任期制については意見が分かれた。

 3氏とも先端的、学際的研究の推進や地域貢献は積極的に進めると強調した。教養教育で3キャンパスが連携するほか、外部資金の獲得をより強化する体制づくりと会議の効率化を説いた。

 遠藤氏は、再編統合時の覚書を「発展的に見直す」とした。外部資金は研究に充て、3キャンパスの財務統一と明確化を実現、中期計画の達成に向け「富大再発見協議会」を設立すると述べた。

 鏡森氏は、全学混成の教養教育に向けた体制づくりや人材バンク開設、教職員のワークライフバランス(仕事と生活の調和)向上を提言し、教員の任期制については「反対」とする見解を示した。

 平井氏は、教養教育について専任教員を置いたセンターの設置を提案し、「学長特区」として若手の人材育成事業を進める方針を示した。任期制については、分野ごとの導入を進めたいとした。

 公開討論会には、教職員約120人が参加した。学長選考会議は19日に杉谷、20日に高岡の各キャンパスでも公開討論会を開く。学内の意向投票は教職員約1100人を対象として29日に実施、11月8日に次期学長が選ばれる見通し。西頭德三学長の任期は2011年3月31日まで。

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