東北大土地・建物、9か所有効活用されず 検査院指摘、改善計画策定求める『読売新聞』2010年10月20日付

『読売新聞』2010年10月20日付

東北大土地・建物、9か所有効活用されず
検査院指摘、改善計画策定求める

 会計検査院が19日に公表した国立大学法人に対する検査結果で、東北大(仙台市)で有効活用されていない土地と建物が9か所45億円相当分に上っていた。検査院は9か所について、売却を含め将来計画を策定するよう同大に求めた。ただ、9か所の中には、同大が売却を試みたものの買い手が付かなかった場所もある。同大は「地価は下がっているが、国民から譲り受けた土地をむやみに安く売れない」と困惑している。

 検査院は、同大が2009年3月現在に保有していた土地や建物の利用状況を調査。その結果、学生寮跡地や会館跡地(ともに太白区)など計9か所8万2000平方メートルを「未利用または利用が低調」と判断。「不要な資産は売却や施設建設で有効活用を図るように」と求めた。

 同大は09年1月、青葉山新キャンパス(青葉区)の建設費を賄うため、学生寮跡地や会館跡地の一般競争入札を実施したが、入札参加者はなく、土地は更地のままだ。植木俊哉理事(財務担当)は「計画的に売る努力をしている大学の姿勢が受け入れられず残念。今後も売却先を探す」と話す。

 一方、研究センター脇や学生寮脇にある原野(ともに太白区)への指摘に関して、同大は「研究者や学生の意見を聞き、土地をどうするか検討したい」とした。ほかに、整備を求められた同大植物園周辺の林野は、木を切り倒して花壇や歩道を造るなどした。

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