理系で生き残り…大阪府大が学域入試 関西国公立初、文系受験OK『産經新聞』 2010年10月21日付

『産經新聞』 2010年10月21日付

理系で生き残り…大阪府大が学域入試 関西国公立初、文系受験OK

 平成24年度に大規模な学部再編を計画する大阪府立大(堺市中区)が、24年度から一部に文系・理系の枠を設けず選抜する「学域入試」を導入することが20日、分かった。関西の国公立大では初の試み。入学した生徒全員に、1年前期に同じ「初年次ゼミナール」を必修科目にする計画で「垣根のない高度研究型大学」の実現を模索する。

 学域入試を導入するのは、現在の経済学や環境生態学、臨床心理学など文系・理系学部を融合し再編する「現代システム科学域」の後期日程。後期は文系科目だけで受験も可能。2年目に選択する専門分野で、従来なら工学部に分類されるような理系分野を専門に選ぶこともできる。

 また、入学生全員が1年前期から20人程度で構成するゼミを必修科目とし、プレゼンテーションの手法など「学ぶうえでの基礎」をテーマに、各教員が開講する。府立大は「これまでの学部より幅広く学べる学域で、何を学びたいか、どう学ぶべきかを身につける機会にしてほしい」と期待を寄せている。

 府大再編は昨年2月、橋下徹知事が「発展を目指さなければ存続はありえない」などとして、存廃を含めた改革に乗り出す方針を示したのを受け、取り組みをはじめた。

 大学側は、現在の7学部を現代システム科学▽工学▽生命環境科学▽地域保健学の4学域に再編する改革案を提出し、文科省への認可申請手続きなどを進めている。

 再編は「理系特化」とされているが、現在の文系3学部は現代システム科学域に繰り入れる形で一部は存続する。来年度入試は現行の7学部で実施する。

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