東北大が「全面禁煙宣言」 全キャンパスで来年10月実施『河北新報』2010年10月8日付

『河北新報』2010年10月8日付

東北大が「全面禁煙宣言」 全キャンパスで来年10月実施

 東北大は2011年10月1日から、仙台市内を中心とした学内の全エリアを禁煙とする「全面禁煙宣言」を出した。1年間の移行期間で学生と教職員に禁煙を促し、キャンパス周辺でも喫煙しないよう求めていく。東北の国立大の多くは既に同様の取り組みを進めているが、日本学校保健学会は「(学生と教職員で2万人を超える)東北大のような規模の大きい国立大で全面禁煙化を決めたのは聞いたことがない」と話している。

 全面禁煙化は大学の環境・安全委員会が決めた。今月に入り、井上明久総長名の「宣言」をホームページに掲載した。

 学内では、大学病院敷地内が06年10月から全面禁煙になっている。一方で「喫煙は個人の自由」「キャンパス外で吸って近隣に迷惑を掛けては本末転倒」といった慎重論も根強く、学部や研究所の多くは指定場所での喫煙を認めていた。

 委員会は学内調査の結果から、学年が上がるほど喫煙率が高まることを憂慮。受動喫煙や喫煙者本人の健康に配慮し、教育と研究の質を上げる環境整備のため、全面禁煙化に踏み切った。

 厚生労働省は2月、飲食店やホテルなど不特定多数の人が利用する公共空間の原則全面禁煙を都道府県などに通知。今月1日にたばこが大幅に値上げされるなど、社会情勢の変化も考慮した。

 1年後の完全実施に向けて学内に作業チームを設け、たばこ販売の自粛や喫煙場所の撤去といった施策を徐々に進めていく方針。

 東北の国立大では06年に宮城教育大、07年に弘前大、08年に岩手大、今年に入って福島大と秋田大が敷地内を全面禁煙化。山形大は一部のキャンパスで喫煙を認めている。

 仙台市内では私立の東北薬科大や東北文化学園大が禁煙化するなど、キャンパスから煙をシャットアウトする動きが年々拡大している。

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