“若手研究者問題:情報と意見交換”の設置にあたって

“若手研究者問題:情報と意見交換”の設置にあたって

2010年10月1日  国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 昨年来の事業仕分け、政府から発表された新成長計画、今年度より始まった国立大学法人の第二期中期目標・中期計画、来年度以降の開始に向け第4期科学技術基本計画の策定が急がれている一方で、文科省によって「国立大学法人の在り方」に関する意見募集が始まるなど、我が国における科学技術・高等教育の方針は見直しの時期に差しかかっているといえよう。

 このような状況のなか若手研究者は、充分な支援や解決策が施されることなく、逆に日本学術振興会の特別研究員制度や科学振興費補助金といった数少ない支援策ですら、事業仕分けの対象とされるなど、その環境は年々悪化している。

 今や若手研究者には、「高学歴ワーキング・プア」、「専業非常勤講師」、「ポスドク」、「特任教員」…さまざまな呼称が与えられ、それぞれが個別化され、分断された状況下で、生存の危機に晒されながらも、大学・研究機関において日々教育研究の実践に身を投じている。

 本ページの目的は、現在の国立大学をはじめとする大学や研究機関における若手研究者問題の諸相を明らかにした上で、この問題の解決に向けた議論のための情報を共有することにある。若手研究者問題は、若手研究者の問題であるだけでなく、若手研究者の存在する環境の問題であり、その環境を作り出し、容認してきた研究者、研究機関の構造的な問題でもある。この問題の解決のためには、遠回りであったとしても、これら当事者間の情報共有の上に、その打開の展望と方向をめぐる議論を旺盛に展開することが重要と考え、本ページを設置する。

 

 

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