大学発ベンチャー:設立、10年間で最少90社--08年度『毎日新聞』2010年9月21日付

『毎日新聞』2010年9月21日付

大学発ベンチャー:設立、10年間で最少90社--08年度

 大学の教員や学生が新規技術や知的財産を基に起業する「大学発ベンチャー」の08年度の設立数が、過去10年間で最低の90社にとどまったことが、文部科学省科学技術政策研究所の調査で分かった。営業不振による廃業の一方、技術を見込まれての買収や合併も増加傾向にあり、同研究所は「数の増加が一段落し、整理の時期に移った」と分析している。

 調査によると、08年度末までに設立された大学発ベンチャーは累計1963社。分野別では生命科学27%、情報通信25%、ものづくり11%など。年間の設立件数は、04、05年度の各252社をピークに減り続け、08年度は90社だった。これは99年度(95社)の水準を下回る。

 これまでに設立された中には、清算や休眠に追い込まれるケースが06年度以降、毎年17~18社あり、累計109社。一方、業績好調で株式公開に至ったのが20社。新興国から破格の買収金額を提示される材料系ベンチャーもあり、吸収合併や売却は37社に上った。

 高専などを含む全国の大学821校のうち、大学発ベンチャーがあるのは27%の221校。大学別のトップ3は(1)東京大147社(2)早稲田大107社(3)大阪大82社。学生だけで起業した「学生ベンチャー」が多い大学は(1)早大48社(2)東大、京都大各26社(4)筑波大24社など。【山田大輔】

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