学長に学ぶ 学生が大学経営に参加『読売新聞』2010年9月16日付

『読売新聞』2010年9月16日付

学長に学ぶ
学生が大学経営に参加

 就職に向け、学生が企業などで社会人体験をするインターンシップ。「大学の実力」調査でも、ほとんどの大学が採用し、力を入れていることがわかった。

 ユニークなのは、静岡大学(静岡)が今年初めて行った「学長インターンシップ」だ。9月初めの1週間、学生に学長や理事ら経営陣と行動を共にしてもらう。役員会にも出席する。発案者の伊東幸宏学長は「経営の現場でコミュニケーション力を体得してほしい。大学改革にも参加してもらえれば」と一石二鳥を狙う。

 同大の教員として約20年間勤め、今春、学長に。学生がおとなしくなったと感じてきた。同世代の枠に閉じこもらず、さまざまな人と話し、議論できる力を養えればと考え、学長室を開いたという。

 公募に応じたのは2~4年の5人。人文学部2年の中池佑介さん(20)はインドネシア大学の表敬訪問を受けた際の学長たちの様子に舌を巻いた。「相手への理解がないとおしゃべりもできない。日頃から幅広い教養が必要と実感した」と言う。

 親の背を見て子は育つとか。まずは背から発信された思いは届いたようだ。(松本美奈)

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