日本の教育予算、OECD最下位 GDP比3.4%『朝日新聞』2010年9月7日付

『朝日新聞』2010年9月7日付

日本の教育予算、OECD最下位 GDP比3.4%

 経済協力開発機構(OECD)は7日、日本や欧米など32カ国の教育状況をデータで紹介する「図表でみる教育2010」を発表した。2007年現在の統計で、教育機関に支出される日本の公的支出の割合は、国内総生産(GDP)比で3.3%と、データのある加盟28カ国の中で最下位になった。

 統計は、小中学校や高校、大学など全教育機関に対する国や自治体などからの公的な支出の額を国際比較した。

 GDP比の公的支出は加盟国平均で4.8%で、最も高かったのはアイスランドの7.0%。次いでデンマークが6.6%、スウェーデンが6.1%だった。ただ、日本では今年度からすべて国費で高校の授業料無償化を始めているが、その予算はまだ調査に反映されていない。

 日本では子ども1人あたりの教育支出はOECD平均を上回っているが、家計などの私費負担の割合が高い。日本は教育支出のうち私費負担が33.3%を占め、加盟国平均の17.4%を大きく上回る。特に、小学校入学前の就学前教育(56.2%)と、大学などの高等教育(67.5%)で高い水準になった。

 教育と労働の関係を見ると、高卒より大卒の方が就職率が高く失業率が低い傾向にあり、加盟国の平均的な姿に近い。特に女性は高卒と大卒の所得差が大きいという。加盟諸国の統計からは、教育への投資は労働市場に影響し、税収にも還元されることがうかがえるといい、OECDは「どの国も財政が苦しい中で、どのような政策を選択し組みあわせればより効率的で効果が上がるかを考えていくべきだ」と指摘している。(見市紀世子)

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com