理系出身は文系より高所得 京大など調査『日本経済新聞』2010年8月25日付

『日本経済新聞』2010年8月25日付

理系出身は文系より高所得 京大など調査

京都大学の西村和雄特任教授と同志社大学の浦坂純子准教授らは24日、理系学部出身者は文系出身者より平均年収が高いという調査結果をまとめた。これまで理系より文系の方が高所得とする説があったが、「全体でみれば理系が上。学生の理系離れの是正につながってほしい」と西村教授は話している。

調査はインターネットで2008年6月に実施し、大卒者2152人から回答を得た。男性が71%で平均年齢は43歳。このうち働いていた1632人を分析した。出身大学数は国公私立含め100以上になる。

平均年収は理系出身者が約681万円。文系(約583万円)より約100万円多かった。データをもとに年齢別の年収を推計すると、すべての年齢で理系が優位だった。25歳時に60万円だった文理の差は60歳では168万円まで拡大。技術を持っていると高所得の職種にも就ける可能性が広がるという。

西村教授は「技術を持っていると職種選択の幅が広がり高所得につながる傾向があるのではないか」と話している。

今回の調査とは別に、大阪大学の松繁寿和教授は、特定の国立大の文系・理系学部出身者を比べ、生涯収入は文系が約5千万円多いとの調査結果を報告している。西村教授は「大学を特定せず全体で見れば理系の年収が多い」と指摘。両教授とも「2つの結果は矛盾しない」と話している。

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