平成23 年度概算要求における高等教育予算の拡充を!2010 年7 月28 日京滋地区私立大学教職員組合連合

平成23 年度概算要求における高等教育予算の拡充を!

2010 年7 月28 日
京滋地区私立大学教職員組合連合

現在、日本の高等教育において、私立大学・短期大学(以下、「私立大学」)には学生全体の約75%が学ぶとともに、全体の大学数における私立大学の割合は80%を占めており、私立大学は高等教育分野において名実ともに大きな役割を果たしています。また、私立大学は社会の各分野に優秀な人材を輩出し、日本社会の発展に寄与するとともに、教育・文化・地域振興などさまざまな分野を通じて、地域の発展にも多大な貢献を果たしてきました。

他方、国立大学が法人化されて以降「国立大学法人運営費交付金」が毎年1%減額される中で、「私立大学等経常費補助金」も2006 年~2008 年までの3 年間にわたって94 億7 千万円もの補助金が減額されてきました。元来、国立大学法人と私立大学では公財政支出に大きな格差がある中で、これだけ多額の補助金が削減されたことは、私立大学の教育・研究および経営基盤にも大きな影響を及ぼしました。

こうした状況の下、政府が6 月22 日に閣議決定した「財政運営戦略」で示した今後3 年間の予算編成では、「基礎的財政収支対象経費」の大枠を平成22 年度の約71 兆円を上回らないとする考えを示す中で、平成23 年度予算の概算要求に関して、社会保障費などを除く「政策経費」を全省庁で一律「10%削減」するとの方針が7 月27 日に開かれた臨時閣議で決定されたことは、今後の高等教育予算にも重大な影響を及ぼす問題であると考えます。仮に私学助成(平成22 年度予算・4390 億円)が10%削減されることになれば、439 億円もの削減になり、大学の経常費補助金では322 億円の削減となります。小泉政権時の骨太方針の下ですら1%の削減であったことを考えると、このような大幅な削減は到底容認できるものではありません。政府が掲げる「新成長戦略」における新たな需要と雇用創造を支えるのは「人」であり、そうした「人」を育てる主体的役割を担っている高等教育の予算を大幅に削減することは本末転倒といえます。

また、高等教育予算の大幅な削減は、現在でも厳しい教育費負担を強いられている学生・保護者にさらなる負担増を強いることになりかねず、学生が大学で学ぶ機会を奪われてしまう可能性もより強まることが懸念されます。高校の実質無償化を推進し、学生・保護者の教育費負担軽減に積極的に取り組んできた現政権の施策と相反するような高等教育予算の削減は絶対におこなうべきではありません。

平成23 年度予算の概算要求枠において、「私立大学等経常費補助」をはじめとした大学の基盤的経費は予算削減の対象外とするとともに、学生・保護者の教育費負担軽減と長期的観点から高等教育への予算措置が図られることを強く要望するものです。

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