山形大工学部がキャンパス整備計画 23日、シンポで概要説明 『山形新聞』2010年06月18日付

『山形新聞』2010年06月18日付

山形大工学部がキャンパス整備計画 23日、シンポで概要説明

米沢市の山形大工学部(大場好弘学部長)は、景観への配慮を重視したキャンパスの整備計画を策定した。大学は都市や地域と一体の存在であることをうたい、自らが美しく変わることによって地域の景観形成をけん引しようという狙い。将来的には塀を取り払い、学生や市民、観光客が憩う空間を創出する計画だ。 23日に市民向けのシンポジウムを開き、構想の概要を説明する。

従来の施設整備は機能優先で、景観という視点が不足していたとの反省に立ち、教職員や学生、地域住民、景観分野の専門家によるキャンパス景観マスタープラン作成委員会(委員長・志村勉教授)を設け、昨年度1年間かけて計画をまとめた。2050年を完成年度とする長期的な視点で、都市とキャンパスとの関係の理想像や、施設改修の方向性などを示している。
大学と都市との関係性を「運命共同体」と表現し、「相互にもっと融合し、その相乗効果を発揮すべき」としてキャンパス機能の共有化、共同化を提案。美しいキャンパスの景観は新たな観光拠点となり、市内のほかの観光スポットをつなぐ新しいネットワークを形成する-と波及効果にも言及している。

具体的な整備案としては、正面の道路に面した塀を取り払い、ケヤキ並木や芝生広場などを公共スペースとして活用。国の重要文化財である旧米沢高等工業学校本館周辺も広場として整備し、ルネサンス様式を基調とした木造2階建ての建物を正面から見られるようにする。警備上の問題は、専門研究区域と市民に開放する区域を明確にすることで解消する考えだ。

志村教授は「景観整備で観光客が10倍に増えた都市の例は数多くある。まずは自分たちが美しく変わり、米沢の魅力を高めていきたい」と話している。

「大学から始まる美しい米沢-美しい大学キャンパスは都市を魅力的にする-」と題したシンポジウムを23日午後0時50分から同学部で開く。

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